私が務める総合病院の場合、トップの理事長、院長から外科、内科のなどがある診療部門、検査や手術などを行う技術部門、お薬を扱う薬剤部門、私が在籍している看護部門、受付から会計までを行う事務部門と色々な部門が存在します。
そんな色々な仕事の中に、「臨床検査技師」という職業があります。
病院内では「検査室」が主な主戦場となり、主な業務としては、生理検査室業務で、心電図検査、24時間心電図の解析、呼吸機能検査、脳波検査、超音波検査、筋電図検査、神経伝達速度検査など、直接患者さんに接する仕事をされています。この部門の方は、医師と異なり言っては何ですが、あまり脚光を浴びる部門ではありません。
しかし、しっかりと当直もされるので、その際、心電図に加えて血液検査や生化学検査、輸血検査、細菌検査、病理検査などの検体検査も行い、検査の数値に緊急を有する異常があれば即座に医師に連絡し、適切な処置を促すこともします。
脳死判定チームにも関わる場合があり、脳死を疑う患者さんに脳波検査を行うことも業務の一つです。
また解剖業務もあり、病理医と一緒に臓器の状態や重さを調べたり、死因を調べるための病理検査を行うこともあります。
因みにこの「病理医」も中々脚光を浴びる事のない仕事ですが、テレビドラマとして「フラジャイル」と言うドラマで長瀬智也さんが病理医を演じて少しだけその存在が知られてきました。
その臨床検査技師の方から聞いた話として、印象的だったのが「心電図検査」の話です。
心電図検査は、身体に電極を当てて心臓の電気信号を見るもので、とても簡単に行うことができ、私も1年に一度は、検査をして貰っています。
この検査で大事なことは、「きちんとおとなしく寝ていてくれる」ことなのです。
心電図は少しでも動いたり力を入れると筋電図というものが混入してしまい、波形が読めなくなってしまいますので、できるだけリラックスして体の力を抜いてもらうのですが、どうもそれができない患者さんが中にはいるのです。
電極は、吸盤のようになっており、胸に六個の電極をつけますが、くすぐったがりの方にはまるで拷問のような時間らしく、もう一個目で大笑いしてしまう患者さんがいます。
なんとか全部つけ終わっても、くすぐったい状態が続いているのか笑いが止ます、病院の心電図室には三つのベッドがあるのですが、一人が大笑いすると隣の人にも笑いが伝染してしまうらしく、こちらももう笑うしかありません。
こういう患者さんは、手間がかかりますが、慌しく忙しい中にも、こういった面白い出来事があるというのは救いでもあるそうです。
確かに、聞き分けのない子供たちと言うのは、扱いが大変ですが、やっぱり笑い声を聞くと、泣き声や叫び声などに比べて格段にいい状態なので、どこか憎めないのはどの部署でも変わらないと感じました。
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